IDYF 2018 プログラム概要


 

会議の正式名称 国際開発ユースフォーラム2018
開催日程 2018年3月11日(日)~2018年3月18日(日)
開催地 国際オリンピック記念青少年総合センター
参加者の年齢 およそ18から28歳のユース
使用言語 英語
参加者の出身地 特に制限なし
参加費

3万6,000円(会期中の食事と宿泊費を含む/観光費用は除く)

IDYF 2018 プログラム内容


IDYF2018が追究すること

“How should we co-exist with ICT? Does ICT bring us peril or prosperity?”

 IDYF2018では、歴代の理念“Design our future”の下に、テクノロジーと人間の共存を取上げます。現代において、私たちの生活はテクノロジー抜きに語ることはできません。医療・保健・製造・通信・交通・教育・商業・行政など社会の隅々までさまざまな技術がはりめぐらされています。 このようなテクノロジーの活用は私たちの生活を便利で豊かなものにし続けています。

 その一方で、「機械に仕事を奪われる」「AIもしくはロボットがイ人間に対し反乱起こし人類は滅亡する」といような言説も存在し、テクノロジーの進歩とそれに対する依存は必ずしも手放しで喜べない状況かもしれません。

 IDYF2018では、未来を担う若者を先進国・発展途上国の別なく幅広く集め、 テクノロジーが社会にもたらす影響について参加者が熟慮・熟議を重ねて、自分たちの将来を描く場を用意します。

 

 

ディスカッションテーマ

 

“How could the use/advancement of ICT contribute to achieving inclusiveness within society?”

 

 近年、世界は前3回の産業革命に次ぐ「第4次産業革命」の時代を迎えつつあると言われています。 第1次産業革命は蒸気、第2次産業革命は電気、第3次産業革命はテクノロジーをそれぞれ使っていました。私たちが今まさに目の当たりにしており、したがって全体像を捕らえることが難しい第4次産業革命は、その直系にあたる第3時産業革命からもかなり距離を置いた存在だといえます。なぜなら、第4時産業革命は多様なテクノロジーを統一し混合させ、しかもより注目すべきことに身体・精神・物質・電子情報・生物学といった各領域の境界線を曖昧にするからです。ICTはさまざまな社会階層のに浸透しちょっとした変化をもたらしたり、すっかり設計し直したりしています。その意味で、私たちはICTを進歩させそれに依存し続けるより他に道はないのかもしれません。つまり、私たちは生活におけるほとんど全ての局面において、物事の再考・再定義・再設定をするよう迫られているとも言えるでしょう。ユースにとって、このように大規模かつ急激な変化の只中で自身が今どこにいるのか、またこれまで辿ってきた軌道に乗り続けるべきか、修正を加えるべきか、もしくは全く新しい道筋に沿うべきかを考えるのに適切な時期にきているとIDYF2018は捉えています。なお、具体的に以下3つの事例について議論をします。

 

1. 「日本の働き方改革におけるICTの導入」

日本ではこれまで長い間議論されてきた働き方改革について、2018年政策の施行に向けて本格的に動き出している。中でも長時間労働の問題は女性の労働市場へのアクセスを制限し,男性による高齢者の介護を理由とした休職率の増加させるなど,ワークライフバランスを核とする諸問題を引き起こし,長時間労働や既存の評価基準の是正が求められていることを露見させている。一方,長時間労働により阻害されてきたワークライフバランスの実現は,テレワークの導入やAIの誕生による時間や場所を問わない働き方の可能性が生まれることで改善されつつある。この変化はまた、「労働総時間」ではなく「時時間当たりの生産量(労働生産性)」に基づく評価体制を敷くという二次的な変化をも起こしつつある。しかしながらこうしたICT活用の議論や決定権は社会の一部の人々の間に留まっている。,ICTの可能性を解き放ち、柔軟性というその最大の利点をワークライフバランスのために生かすには、関連する議論がより一般の人々に開かれ、またより頻繁に行われる必要がある。本会議では,労働市場でのICT活用の在り方を再考し,ワークライフバランスに支障をきたしている施策や労働環境に対してICT技術による解決策を議論する。

 

 

2.「ベトナムの農業におけるICTの活用」

アグリ・インフォマティクスと呼ばれる、データ分析に基づいて適切なアドバイスを提供するシステムが大きく注目されている。生産の効率化、低コスト化、専門的な経営、人材育成、信頼性など様々な問題を解決できて農業の第6時産業化が促進されるからだ。ベトナムでは、2010年のICT早期強化プロジェクトに関する首相決定に基づいて、2020年までにICT技術を農村まで拡大しようと努力している。ICT協力を謳った日越共同声明を受けて、JICAはベトナムでのAIに関するODA輸出を頑張っている。本会議では、日本がベトナムで行っている農業情報支援事業を様々な角度から分析し、どのような開発であるべきで、かつどのように改善できるのかを考える。

 

 

3. 「コロンビアの紛争後の平和構築におけるICTの役割」

コロンビアは内戦とそれに続く複数の危機を1960年から50年の長きにわたり経験した。FARC(コロンビア革命軍)と ELN(民族解放軍)の2大ゲリラ勢力は 政府に対し活発に反乱を起こし、麻薬取引や人身売買といった国際的組織犯罪により活動資金を調達していた。現在、政府はいずれの勢力とも終戦協定を締結し、紛争後の復興と発展に向けて舵を切った。コロンビアのICT大臣はICTが社会の統合を進め、市民参画を促し、民主化の定着に資し、以って復興と開発を加速させるとしている。国家的なICT大綱である “Vive Digital 2018”は ①働き方の改善②雇用創出③企業家支援④都市と地域の転換を4本柱に据えている。しかし同時に大臣は高齢者や障がい者はこうした社会の抜本的な変化に際してより大きな困難を抱えるとも認め、懸念している。さらに国内外の努力にも係わらず若者の失業率は17%近い。本ケーススタディにおける要点は「コロンビアにおけるICT活用・発達への情熱はデジタル・デバイド、高い若者の失業率、紛争後の復興という諸問題の解決に繋がるのか」であろう。参加者はICT活用がコロンビアにおいて相応の解決策であるのか状況を混乱させるだけなのかについて社会に存在する様々なギャップを念頭において熟慮する。

 

フォーラムのスケジュール(参考:2017年版)

プログラム詳細


①課題の分析

 IDYF2017では、企業と開発をめぐる3つの事例(ブラジルにおける大豆産業、バングラディッシュにおける縫製業、ケニアの生花産業)を通じて、目指すべき開発のあり方を考え、そのために何をすべきかを考えることを目指します。正確に問題を分析するためには、現地に関する知識および様々な視点からの意見が必要です。11月から12月に開催される参加者選考によって選ばれた世界中の多様な若者たちが、それぞれの視点からこの分析に積極的に参加することが求められます。 

②専門家の方々からの知見の吸収

 より効果的で実現可能性のある解決策を模索するためには、問題をしっかりと整理するとともに、適切で洗練された情報を得る必要があります。 IDYF 2017では、専門家の方々に協力を依頼し、ヒアリングや講義の機会を設けることで、問題や解決策に関する質の高い知見を吸収することを目指す予定です。参加者たちは、実務経験のある方からのインプットを通じて、机上では学べない開発の側面を学ぶことができるでしょう。

③グループワーク

 参加者を複数のグループに分け、問題分析や吸収した知見を基に各グループで解決策を創発してもらいます。このグループワークでは、参加者の多様な背景を活かした、活発で建設的な議論が求められます。なお、必要に応じて運営メンバーがフォローに入ることもあります。

④発表&フィードバック

 専門家の方や開発問題に関心のある方をお招きし、1週間の議論の成果を発表する機会を設ける予定です。例年様々な分野の専門家の方にご協力いただき、発表された議論の結果に対してフィードバックを頂いております。また、今年度は最終報告会前に専門家からフィードバックをいただく機会を設けますので、解決策を改良する機会も十分に与えられます。

IDYFの魅力

①圧倒的多様性

 IDYF2015には、途上国・先進国問わず世界約162ヶ国4500人を超える応募の中から選抜された34ヶ国44名の若者が参加しました。IDYF2016では、ケースに直面するインドネシア・ペカロンガン地域からの7名と、1000を超える応募者の中から選抜されたその他27か国35名の合計28か国42名の参加者で会議を行いました。彼らは大学生、医者、国連職員、技術者、ジャーナリスト、はたまた高校生など様々です。文字通り世界中から、多様な専門分野で活躍する若者が一堂に会し次世代の国際開発をデザインする。そんな圧倒的多様性を誇る舞台がIDYFなのです。

② 将来世代の、将来世代による、将来世代のための国際会議

 IDYFが他の国際会議と大きく異なるのは、若者自身のイニシアティブを基に完全な若者自身による企画運営が実現されているという点です。これは若者ならではの斬新なアイデアを孵化させる上で最高のコンディションだというのは言うまでもありませんし、また会議の成果物だけでなくそこに至るまでの全プロセスに大きな価値を持つ事業だと言えます。

 

③ 開発課題の現場からの豊富な一次情報に基礎を置く議論

IDYFが将来世代の国際会議だからといって、将来の夢だけを語る場であってはならないと考えます。現実に直面して初めて、その先の将来を見据えることが出来るからです。そこでIDYF2017では、専門家からのヒアリングおよびフィードバックの機会を前年の倍に増やし、実際の開発課題の現場からの豊富な一次情報に基づいた議論を実現します。

④専門家からの協力

 IDYFは例年、国際開発分野の第一線で活躍する専門家から、講演、案へのフィードバック、最終報告会審査員、といった様々な形でご協力頂いております。これにより参加者たちは現在最先端である国際開発の手法を学び、その上でさらに一歩進んだ国際開発をデザインすることが可能となります。