IDYF 2017 プログラム概要


IDYF 2017 プログラム内容


IDYF2017の目指すもの

“What Is Development?  Where Are We Heading?”

 理念“Design our future”のもとに、IDYF2017では、「目指すべきDevelopmentとは何か」を根本から考え直し、共通の理想像を描いたうえで課題解決につなげていきたいと考えています。

 現在、経済発展、社会発展、コミュニティ発展など、様々なDevelopmentの定義や理想が語られています。異なる文化背景や社会的立場、経験に基づいたそれぞれの価値観を持つ人々の間で、望むDevelopmentの形は一様ではないはずです。 Developmentに関わる課題は、その問題の複雑さゆえ、異なる価値観を持つ個人や集団の協働なくして解決出来る問題ではありません。だからこそ、将来自国また世界の発展を担う若者が、目指すべきDevelopmentを考え、意見を共有していくことは必要不可欠でしょう。

 途上国・先進国を問わず開発に携わる志を持つ若者が集まり、1週間集中的に議論ができるIDYFでは、それぞれが持つDevelopmentの理想を理解し合い、描いた共通の理想に向かって協働する力を養うことができると信じています。

 

 

ディスカッションテーマ

“Corporation and Development”

 

 経済のグローバル化により、企業活動は国境を越えて活動範囲を広げ、途上国に流れる資金のうち民間投資の占める割合はODA(政府開発援助)をはるかに凌ぐ約7割と言われています。途上国の発展において企業活動の存在感が急速に増し、技術移転や雇用創出、そして経済的恩恵が期待されています。

 一方で、ときに企業活動は不法労働や環境破壊、地域コミュニティとの文化摩擦などの問題を引き起こすこともあります。このような問題は、Developmentの様々な定義の違いが表面化してきた現代において、特に顕著に表れてきています。

 ゆえに、将来のDevelopmentを担う若者は、そもそもDevelopmentとは何なのか、そして、目指すべきDevelopmentを実現するために、企業活動とどのように向き合うべきかについて、今こそ再考する必要があるのではないでしょうか。

 本会議では、以上のような問いを世界中から集められた若者とともに議論し、まだ見ぬDevelopmentの将来を描くことを目標とします。

 なお、具体的には以下の3つの事例について議論をします。

 

1. バングラディッシュの衣類産業

バングラデシュの衣類製品輸出量は世界で3位であり、中国に加えてリスクヘッジのための新たな生産拠点としてチャイナプラスワンと呼ばれている。衣類産業を中心に、多くの企業がその生産拠点をバングラデシュに移している理由は、その生産コストが中国のわずか5分の1だからである。また、バングラデシュで生産された衣類商品の60%は西欧へ、23%は北米へ輸出されている。衣類産業はバングラデシュの発展に貢献している一方、労働者の人権が守られていなかったり、タズリーンの火災やラナプラザ崩壊等の労働災害が起こっていたりと、未だ数多くの課題を抱えている。企業は自身の商品のサプライチェーンの全ての段階に注目をしなければならないとされているが、なかなか難しいことである。

2. ブラジルの大豆産業

ブラジルの大豆産業はブラジルの発展に大いに貢献した。現在は、ブラジルは世界第2位の大豆生産者であり、大豆はブラジルの輸出品目のうち2番目に多い額を占める。一方で、大豆生産は論争も招き、ブラジルにおける大豆農場の拡大が環境問題を引き起こす、大豆の過剰生産が食糧問題を招くなどと指摘されている。近年では、世界的なアグリビジネスが地元の農民から土地を収奪するなどの点も問題とされている。さらに、ブラジルは最近、自国の大豆産業で採用されている資本主義的な農業手法を、日本の政府や企業と協力のもと、アフリカのモザンビークに移植しようと試みている。しかしこの計画もまた、モザンビークの住民から反発を招いている。このように、大豆とブラジルの関係は複雑に絡み合っており、私達が将来の開発について考える上で重要な問題を提起している。

3. ケニアの切り花産業

ケニヤで切り花は国の主要な輸出産業だ。ケニアの切り花産業は1970年代から現在にかけて、ヨーロッパの国々や日本を中心に、60国以上に輸出をしている。しかし、ケニアの切り花産業が発展していく中で、低賃金、貿易協会内のパワーバランス、女性差別、健康被害などの問題が生じている。これらの状況を踏まえ、現地の切り花業者とそれを輸入するケニア国外の企業など様々な関係者を取り巻くケニアの切り花産業にとっての”開発”を考える。

フォーラムのスケジュール(予定)

プログラム詳細


①課題の分析

 IDYF2017では、企業と開発をめぐる3つの事例(ブラジルにおける大豆産業、バングラディッシュにおける縫製業、ケニアの生花産業)を通じて、目指すべき開発のあり方を考え、そのために何をすべきかを考えることを目指します。正確に問題を分析するためには、現地に関する知識および様々な視点からの意見が必要です。11月から12月に開催される参加者選考によって選ばれた世界中の多様な若者たちが、それぞれの視点からこの分析に積極的に参加することが求められます。 

②専門家の方々からの知見の吸収

 より効果的で実現可能性のある解決策を模索するためには、問題をしっかりと整理するとともに、適切で洗練された情報を得る必要があります。 IDYF 2017では、専門家の方々に協力を依頼し、ヒアリングや講義の機会を設けることで、問題や解決策に関する質の高い知見を吸収することを目指す予定です。参加者たちは、実務経験のある方からのインプットを通じて、机上では学べない開発の側面を学ぶことができるでしょう。

③グループワーク

 参加者を複数のグループに分け、問題分析や吸収した知見を基に各グループで解決策を創発してもらいます。このグループワークでは、参加者の多様な背景を活かした、活発で建設的な議論が求められます。なお、必要に応じて運営メンバーがフォローに入ることもあります。

④発表&フィードバック

 専門家の方や開発問題に関心のある方をお招きし、1週間の議論の成果を発表する機会を設ける予定です。例年様々な分野の専門家の方にご協力いただき、発表された議論の結果に対してフィードバックを頂いております。また、今年度は最終報告会前に専門家からフィードバックをいただく機会を設けますので、解決策を改良する機会も十分に与えられます。

IDYFの魅力

①圧倒的多様性

 IDYF2015には、途上国・先進国問わず世界約162ヶ国4500人を超える応募の中から選抜された34ヶ国44名の若者が参加しました。IDYF2016では、ケースに直面するインドネシア・ペカロンガン地域からの7名と、1000を超える応募者の中から選抜されたその他27か国35名の合計28か国42名の参加者で会議を行いました。彼らは大学生、医者、国連職員、技術者、ジャーナリスト、はたまた高校生など様々です。文字通り世界中から、多様な専門分野で活躍する若者が一堂に会し次世代の国際開発をデザインする。そんな圧倒的多様性を誇る舞台がIDYFなのです。

② 将来世代の、将来世代による、将来世代のための国際会議

 IDYFが他の国際会議と大きく異なるのは、若者自身のイニシアティブを基に完全な若者自身による企画運営が実現されているという点です。これは若者ならではの斬新なアイデアを孵化させる上で最高のコンディションだというのは言うまでもありませんし、また会議の成果物だけでなくそこに至るまでの全プロセスに大きな価値を持つ事業だと言えます。

 

③ 開発課題の現場からの豊富な一次情報に基礎を置く議論

IDYFが将来世代の国際会議だからといって、将来の夢だけを語る場であってはならないと考えます。現実に直面して初めて、その先の将来を見据えることが出来るからです。そこでIDYF2017では、専門家からのヒアリングおよびフィードバックの機会を前年の倍に増やし、実際の開発課題の現場からの豊富な一次情報に基づいた議論を実現します。

④専門家からの協力

 IDYFは例年、国際開発分野の第一線で活躍する専門家から、講演、案へのフィードバック、最終報告会審査員、といった様々な形でご協力頂いております。これにより参加者たちは現在最先端である国際開発の手法を学び、その上でさらに一歩進んだ国際開発をデザインすることが可能となります。